home
***
CD-ROM
|
disk
|
FTP
|
other
***
search
/
Gekikoh Dennoh Club 1
/
Gekikoh Dennoh Club Vol. 1 (Japan).7z
/
Gekikoh Dennoh Club Vol. 1 (Japan) (Track 1).bin
/
cone
/
ds10.doc
< prev
next >
Wrap
Text File
|
1997-06-06
|
10KB
|
329 lines
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コネクトコネクション:デジタルカメラ編
DS-10(FUJIFILM)
舩本昇竜
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「これといった目的は無いんだけれど、なんかこう、デジカメが欲しいような
欲しくないような」というムラムラした気持ちと同居し始めて数十ヶ月。
給料日直後&五月末の土曜&土砂降りの雨なある日。「小さな機械マニア」を
自称する私は決心したのです。「安く小さいデジカメを買ってX680x0に繋げるん
だ。そして、うまくいったらCD-ROM版こねこねに投稿だ」と。はてさて、結果は
いかに?
○DS-10だったら、X680x0でもなんとかなりそうな予感…
そんなこんなで今回のターゲットは、FUJIFILMのDS-10。購入決
定のポイントは、次の通り。
<X680x0での利用を考えた場合、おさえなければならないポイント>
・シリアル通信以外に、X680x0とデータ交換が可能(そうな)な
外部記憶デバイスを持っていること
・圧縮方式が、JPEGと明記してあること
<個人的趣味の問題>
・取り込み画素数は640×480ドット以上で、35万画素以
上のCCDを持っていること
・本体の実売価格が3万円程度であること。また、本体液晶は特
に必要と感じないので、「小さく軽い」物を優先
まぁ、「DS-7or8の在庫処分品が安ければ買おう」と思いながら秋葉原入
りしたところに、「より小さく軽い」DS-10が新製品として入っていたから。
ともいえますかね。
さて、このDS-10。最優先条件としてあげられている「X680x0とデータ交
換が可能(そうな)な外部記憶デバイス」として、スマートメディア(旧称:S
SFDC→こっちの方がとおりがいいような気がするんですけど)というちょっ
と変わった、というより、まだまだマイナーなメディアを使用しています。
このスマートメディア。別売りの「PCカードアダプタ」と合体させることで、
とってもメジャーな PCMCIA type-IIカードとして取り扱えるようになる。との
アナウンス。それならば、X680x0での動作が確認されているいくつかのPCカー
ドリーダとSUSIE (SCSIドライバ)の組み合わせで、簡単にデータの読み込みが
出来そうなものです。さらに、圧縮方式がJPEGと明記されていれば、経験的
に、大抵の画像はJEPGEDでロード出来るので、もう、勝ったも同然です。
○条件付きの読み取りに成功!
ところが、どうも、世の中そんなに甘くないようです。マニュアル通りにカメ
ラでフォーマットしたスマートメディアをPCカードリーダーに入れても、「ディ
スクが入っていません」攻撃。X680x0でフォーマットしたスマートメディアをD
S-10に入れてもエラー音で怒られるばかり。
カメラやメモリの不調なども疑ってみたものの、編集部のPC-9821Xa10/C12
(PCカードが標準装備されているマシン)では、ちゃんと読み込める様子。し
ようがないので、X680x0のSCSIケーブルをとっかえひっかえし、いろんなソフト
の組み合わせを試み、最後にはPCカードアダプタやカメラ本体の分解・検証ま
で行いましたが、ダメなものはヤッパリダメなようです。
それでも悪あがきを続けて8時間。もう、X680x0で出来ることを思い付かない
状態になったので「しょーがないからWindows専用にするか」と半ば諦めて
Windows95でスマートメディアをフォーマット。ついでなのでスマートメディア
を使ったWindows95⇔X680x0間データやりとりの実験を開始(詳しくは後述)。
一通り実験を済ませた後、DS-10にWindows95でフォーマットしたてのス
マートメディアを戻すと、なぜかエラー音もならず、メディアを認識している様
子。もしや、と思い、その場で2~3枚その辺の壁等を撮影。DS-10からス
マートメディアを取り出しX680x0で読ませてみると、苦闘の8時間を笑うかの様
に、スマートメディアをあっさり認識。JPEGEDでの表示も問題なく行われ、ディ
スプレイにその辺の壁が表示されているではないですか。X680x0でフォーマット
したメディアは全部却下したくせに。なんてこった、この、いけずぅ。
○DS-10をX680x0で使うための暗黙のルールについて
そんなこんなで、実験を続けるうちにわかった「スマートメディアをデータ交
換媒体とした場合における、DS-10をX680x0で使うための暗黙のルール」を
列挙してみましょう。
・FINEモードで撮影されたデータの完全なロードができない。
(どうやら途中でデコード出来ないデータにぶち当たるようです)
・スマートメディアのフォーマットはWindows95(PC-9821Xa10/C12等)で
行う。
・カメラ(DS-10)でスマートメディアをフォーマットしない。
・基本的に、X680x0ではスマートメディアは読み込み専用と割り切って使
用する。データ転送後のスマートメディア上のファイル削除は、
Windows95でフォーマットするか、カメラでスマートメディアのALL
ERACE(FORMATではありませんよ)で行う。
・PCカードドライブをX680x0につなぐようなユーザーの皆さんだからこ
そ、SCSIケーブルの長さには注意する。今回の接続に使用したPCカー
ドドライブ:PCD500が、終端専用だったためなのか、結構パリティ
ーエラーになやまされました。
○価格その他について
まず、デジタルカメラ本体(DS-10)とPCカードアダプタ(PC-AD)
のメーカー希望小売り価格は、39800円、10000円となっていますが、
さくらや(サンシャイン60通り店)にて、悪税込み39217(内訳:(29
850+7500)×1.05)円で購入。
また、以下に記すDS-10とX680x0をくっつけるための仲間(カッコ内は動
作確認機種)については、各自で自由に検討してみて下さい。PCカードドライ
ブについては、以前の『こねこね』で何種類か紹介されているので、読み直して
みるといいでしょう。
・スマートメディアをフォーマットするためのWindows95マシン
(PC-9821Xa10/C12)
・SCSI接続タイプのPCカードドライブ
(PCD500:KERNEL)
なお、PCカードドライブの認識にはSUSIE V1.14A、JPEG画像の表示には
JPEGEDを使用しました。
それにしても、「スマートメディアにPCカードアダプタを付けて、SCSIのP
Cカードドライブにセットする」というイメージって、なんとなくゴーディアン
な感じがしませんか? ネタが古くてすみません。
┌───────┐
│ X680x0 │
└───┬───┘
│┌─┐
┌┴┴┐│
│HD││
└──┘│
|scsi
┌─────┴──────┐
│ PCカードドライブ │
│┌──────────┐│
││ PCカードアダプタ ││
││┌────────┐││
│││スマートメディア│││
││└────────┘││
図:ちょっとゴーディアンなやつら
○DS-10の主な仕様
記録メディア スマートメディア(2MB,4MB)
圧縮方式 JPEG準拠(Exif)
取り込み画素数 640×480ドット
撮影枚数 2MBメディア(標準モード/約30枚・
FINEモード/約22枚)
撮像素子 1/3インチCCD正方画素読みだし方式
(35万画素)
レンズ TV-フジノン単焦点レンズ
F3.1/8切り換え
焦点距離 f=5.7mm(35mmカメラ換算38mm相当)
感度 ISO150相当
(ストロボ発行時ISO200相当)
露出制御 TTL測光、絞り優先AE
ホワイトバランス 5500K固定
撮影範囲 70cm~∞
シャッター 1/4~1/5000秒
ストロボ 調光センサーによる直列制御方式オートストロボ
撮影可能距離約0.8~約3.6m(F3.1プリ発行せず)
発行モード:自動(低照度時)/赤目軽減/強制発行
/発光禁止
入出力端子 デジタル入出力(RS-232C)
光学ファインダー 逆ガリレオ式ファインダー
電源 単三形(アルカリ・リチウム・充電式ニカド)電池×2
ACアダプター
外形寸法 112×66×40mm(付属品、突起物含まず)
質量 約160g
(ハンドストラップ、電池、スマートメディア含まず)
付属品 単三アルカリ電池(2本)
スマートメディア2MB(1枚)
ハンドストラップ、使用説明書、保証書
○雑感など
しばらく使ってみたDS-10の感想は、実売価格3万円としてはトータルバ
ランスの優れた「コンパクトカメラ」といったところでしょうか。「半押しAE
ロック」や「オートフラッシュ」など、本当に、機能的にはコンパクトカメラの
それと変わりありません。また、ほとんどの不満は「3万円だから」と割り切る
ことができる程度のモノです。
極端な接近撮影や液晶画面表示といった、いわゆる「デジカメ」的な機能がな
いことももちろんですが、データをX680x0で読み込んでいる時以外は、DS-1
0そのものが「デジカメ」であることをあまり感じさせてくれません。実際、会
社の女の子にDS-10を渡し「新しいカメラをこーたんや。自由に撮りまくっ
てええで」と自慢してみると、「わー、ちっちゃい。これがエピオン(同社のA
PSカメラ)かぁ」との返事。さすがFUJIFILMといったところなのでしょ
うか?
<さすがな点>
まず、「こんなものかといえばこんなもの」なのですが、「3万円台の価格帯
のデジカメの出力」とは思えない、640×480ドット画像が得られるという
こと。くさってもカメラなので、カメラマン次第で画像の仕上がりが違ってくる
のはあたりまえなのですが、「デジカメで撮った氷が氷に見える」のには驚きで
す。
<いまいちな点>
デジカメ本体にスマートメディアの逆挿しが平気に出来、しかも、実際にシャッ
ターを押すまでエラーが出ないのは、とってもいただけません。あとは、やっぱ
り本体の起動時間「されど4秒」が痛い。構造的にこの時間に関するアレやコレ
についてわからなくもないのですが、せめて、コンマ何秒で撮影可能な状態に持っ
ていける、比較的長時間待機モードも用意して欲しかったところです。シャッタ
ーチャンスは待ってくれませんからね。
○不満もなくはないけど、やっぱり便利
店頭で見かけた時は、「もっと小さくてもいいのでは」と思っていたのですが、
実際に使ってみると、DS-10のサイズは「最も気軽に扱える小ささ」である
ことに気付かされます。「ヤミクモに小さくするだけが、ノウじゃないゼ!」と
いうデザイナの鼻息が聞こえそうです。
いや、それにしても便利な世の中になりました。以前、カラーザウルスを使っ
ていた頃は、数分単位でWindowsマシンのHDに画像をダウンロード→FDorM
Oに画像ファイルをコピーしてからX680x0に移動。というちょっとした手間があっ
たのですが、今では
1:デジカメで撮影
2:スマートメディアをPCカードドライブにセット
3:「jpeged p:dsc00001.jpg」で表示
たった、これだけですよ。いや、本当に便利になりました。
(EOF)